第135章

妹にこんな師匠がいるなんて、これまで一度も聞いたことがなかった。それでもエイモスは、態度だけは――いや、もはや恭しいと言っていいほど丁寧に挨拶をした。

イシスと呼ばれた女魔法師は、返事の代わりに小さく頷いただけ。だがエイモスは、それで不快になるどころではなかった。

さっき目の当たりにした「一瞬」が、心の奥に深く焼き付いている。たぶん、これから先も忘れようがない。

エイモスは確信していた。目の前の、どこにでもいそうな平凡さをまとったこの女は、間違いなく強大な魔法師だ。父からでさえ、こんな――背筋が凍るような圧を感じたことはない。

これが騎士たちの言う八級魔法師だというなら、いまのエイモ...

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